プロジェクト PROJECT

ヘルスケアにフォーカスしたロボットハウスの実現に向けて

【ステップ1ワーキンググループ】
実施場所:MCSCC東京キャンパス(事務局)
アーキテクトグランドデザイン株式会社
IMM・zero株式会社

MCSCCが提唱するスマートハウスとしての「ロボットハウスコンセプト(AIバトラーハウス)ソリューション」実現に向けたステップ1の取り組みとして、室内空気の権利として、住まいをまるごと免疫加工し、大切な人を守るために家・オフィスまるごと、消臭・整菌する処理を行いました。
この免疫加工とは人間・動植物・微生物と共生する、自然界のいとなみを手本に最先端技術で開発された、生命の分子構造を活性化させる水溶性二量体鉄塩(FFCテクノロジー)を活用しています。
MCSCC東京キャンパスのオフィスを免疫加工後を環境センサーで常時モニタリングする実証実験をスタートしました。

WHO(世界保健機関)は、1年間で約280万人が室内空気汚染で死亡しており、そのうち約9割が開発途上国であると試算しています。
WHO欧州事務局のワーキンググループは、室内空気汚染への対策やプログラムが開発されてない国々に対して、この原則が有用な手引きとなるよう求めています。
また、その他の国々においては、この原則をもとに、「健康的な室内空気への権利」の重要性に対する認識を高めるよう求めています。
そして多くの専門分野と産業分野による協調と協力によって、健康的な室内空気質に対する計画的なアプローチが必要であると報告されています。
WHO欧州事務局のワーキンググループは、オランダで2000年5月15-17日に「健康的な室内空気への権利」と題した会合を行いました。
このワーキンググループは、2000年5月15-17日の会合内容をもとに、2000年7月12日に「THE RIGHT TO HEALTHY INDOOR AIR:健康的な室内空気への権利」と題した報告書を発表しています。

現代は住宅、職場・学校・公共施設・交通機関などの室内空間でほとんどの時間を過ごしています。
2019年末に中国武漢市から突如発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は全世界にパンデミックを引き起こし、WHOは2020年7月9日、COVID-19の感染経路に関する新しい指針を公表しました。
この指針よれば、屋内の混雑した空間で、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した感染が発生している可能性を認めました。

通常の室内空間においても、汚染された有害な空気に曝露すると、呼吸器系疾患・アレルギー疾患・粘膜系への刺激など、さまざまな健康影響が生じる可能性があります。
例えば、不完全燃焼を起こした燃焼器具を室内で使用した場合、一酸化炭素による急性中毒のリスクが増大します。
室内におけるラドンや間接喫煙への曝露によって、肺がんのリスクが増大します。
日本では、室内で使用される新建材や家具などから放散する揮発性有機化合物によって生じると考えられる室内空気汚染による健康影響が社会問題化しています。

「健康的な室内空気への権利」の原則(Webサイト引用)
1.健康に対する人権
全ての人は、健康的な室内空気を呼吸する権利を有する。

2.自治尊重
全ての人は、有害の可能性のある曝露に関する適正な情報と、たとえわずかではあっても、その曝露を防止するための有効な手段を与えられる権利を有する。

3.加害行為なし
居住者が不必要な健康リスクを負わないよう、そのような曝露濃度の汚染物を室内空気中に持ち込むべきではない。

4.善意
私有、公有、国有のいずれであっても、建物と関わり合いを持つ全ての個人、集団、組織は、居住者が許容可能な空気質となるよう取り組む、あるいは支持する責任を負う。

5.社会正義
居住者の社会・経済的地位は、健康的な室内空気の権利と関係があってはならない。しかし健康状態によっては、ある特定の集団のために必要な特別な事柄を決定する可能性がある。

6.説明責任
あらゆる関連組織は、建物の空気質や居住者の健康と環境上の影響を評価及び査定するために、明白な基準を確立すべきである。

7.予防原則
有害な室内空気への曝露リスクがある場合、それを防ぐコスト効率のよい手段を見合わせる理由として、不確実性を用いるべきではない。

8.汚染者の負担
汚染者は、非健康的な室内空気への曝露から生じる健康生活への危害について説明する責任がある。加えて汚染者は、そのような危害を軽減及び改善する責任がある。

9.持続可能
「健康と環境」これら2つに対する懸念は分離できない。健康的な室内空気の対策は、世界的あるいは局地的な生態系の完全性や、将来世代の人々の権利を危うくしてはならない。

 

実証実験の場所はMCSCC東京キャンパス(事務局)

免疫加工処理の施工前(数値)

免疫加工施行の様子

免疫加工処理の施行後(数値)

環境センサー(VOC測定可)

MCSCC東京キャンパスにtemiを設置し実証開始(2020/11/10)