活動経過 ACTIVITY

テクノロジーオリエンテッドから課題オリエンテッド抽出型のスマートシティプロジェクト

一般社団法人サイバースマートシティ創造協議会(以下、MCSCC)は、フェーズ1プログラムとして市民に一番近い行政マンである益田市職員のIoT教育(地域企業や団体含む)「誰でも分かるIoTセミナー」によるアンケート調査の仕組みからこの地方都市の抱える課題を抽出し、益田市と共に解決する手法を実践しています。

益田市役所
第1回IoTアンケートまとめ

1-① 普段の業務において、困っていること、解決したい内容はどういった内容でしょうか?

  • 路線バスの正確な利用者数がわからない。
  • 大雨時に1・2級河川及び幹線排水路の水位の把握に苦慮している。
  • 積雪深15cmで除雪を実施するが、その判定は直接職員が現場で確認する手法を取っており対応に苦慮している。
  • 空家や長期不在住宅等の場合、凍結漏水時の早期発見が困難であり、結果として料金に反映されることとなる。
  • アユの流下仔魚数把握が現地確認しなくても可能とならないか。
  • 益田市水道の施設では、ほぼ全施設で遠隔監視装置での監視を行っている。

1-② 1-①を解決するためにどういった社会・仕組みがあれば良いと思いますか?

  • 路線バスにセンサーを設置し、「どこで、何人」乗降したかを計測することができる仕組み。
  • 水位センサー又はカメラの設置により対応可能と思われる。
  • カメラの設置により対応可能と思われる。
  • センサーを設置することにより水量把握が可能であれば、ピンポイントでの発見が可能と考えられ、
    これにより緊急措置として給水を一時停止等の措置を講ずることが可能と考えられる。
  • 河川(産卵場)現場にセンサ-を設置して流下仔魚数が確認できる仕組み。
  • 既設監視装置の情報よりももっと細かい情報が分かればポンプ等故障前の対応、又は断水前の比較的早い段階での対応が可能となる。
    例えば、電圧計、電流計、INVのHz数値等の情報。電圧計、又は電流計三相の情報が分かることで、ポンプ故障が機器本体によるものか、
    欠相等(計装盤内機器の故障又は電力会社の停電等)によるものか判断できる。

 

2-① 益田市民の方々が生活するうえで、困っていること、解決したい内容はどういった内容でしょうか?

  • 高齢者の自動車運転事故が増えていることに不安を感じている。
  • 自分が乗りたい路線バスがいつ来るのか分からないため、20分以上前から停留所で待つ必要がある。
  • 高齢者等行方不明者の確保。
  • 夜道が暗くて危険。
  • 電線など木が倒れたり、切れそうだったりするのを発見したがどこに連絡していいかわからない。住所もわからない。
  • クマが住宅地付近に出没するようになり、クマによる人身被害が懸念される。

2-② 2-①を解決するためにどういった社会・仕組みがあれば良いと思いますか?

  • 高齢者の運転免許証自主返納の促すためにも、公共交通機関が使いやすいように運行ルートを設定し、タイムリーに運行状況が把握できる仕組み。
    また、米や灯油などの配達システムなど買い物を支援する仕組み。
  • バス停に次のバスが何分後に到着するかを表示する仕組み。または、携帯やスマートフォンで運行中のバスの位置が表示できる仕組み。
  • 簡単に身につけられるGPS対応タグを活用した捜索システム。
  • 外灯にセンサーを付け、進行方向にある外灯が数十m先まで点灯していく。
  • 携帯で写真を撮るだけで電力会社など関係箇所に場所と画像が送られる。
  • クマの出没を警告してくれるシステム(クマと出くわさないため)。


第5回益田市セミナー「IoT産業で益田市のブランド化」(2018/02/02)

 

益田市産業支援センター作成のIoT教育用アンケート用紙

益田市市役所や益田警察署、益田消防署、益田観光協会や地元NPO法人などから地域の課題を抽出し、地域の優先順位と出口戦略となる新産業の未来を評価し、民間主導でソリューションを提案し、益田市にテクノロジーや地域交流のエコシステムを実装しています。
益田市内の水路水位計(2017/3/31 第1回IoT教育アンケートでの要望)
●匹見地区の降雪計(2017/9/27 第2回IoT教育アンケートでの要望)
壮年期の高血圧対策(2017/9/27 第2回IoT教育アンケートでの要望)
●社会インフラ維持管理業務(2017/10/27 第3回IoT教育アンケートでの要望)
●高齢者の1人歩き(2018/2/2第5回IoT教育アンケートでの要望)
●観光資源の掘り起こしと地域イベント支援(2019/2/12 第1回SmartCity Technologyフォーラム@益田
※黒文字は既にプロジェクトイン

島根県益田市に、本社を置くMCSCC設立は、リアルな現場と市民との交流しながら、社会課題を探査し、そのテーマを自治体側とMCSCCのワーキンググループ内で議論し、民間主導でプロジェクトを創出・運用する仕組み作りを進めています。
島根県益田市は、2030年日本国の少子高齢化社会の未来を見ることが出来ます。

ワーキンググループ検討風景

第1回SmartCity Technologyフォーラム@益田

第1回SmartCity Technologyフォーラム@益田のアンケート調査結果

【島根県益田市の現実】
人口46,309名(令和元年10月調べ)で毎年600名減(自然減は約400名)
平成30年7月末時点での各地域高齢化率は益田35.9%(185)、美都48.4%(20)、匹見59.7%(46)、平均36.9%
(括弧内は内集落数(自治会数))

【将来あるべき姿】
『市民・地域が躍動し、希望に輝く益田』
●福祉都市宣言「健やかで、やすらぎとふれあいのある社会」
●QoLを満足させたコンパクトシティ
●安心できる生活
●誇れる歴史・文化・食
●地域資源を生かした産業
●地域間の連携や交流
●豊かな自然環境
●1人ひとりが活躍
●市民との協働

【現状の課題】
●人口減少
・少子化
・若者の転出超過
●高齢化
●厳しい財政
●インフラ老朽化
●過疎化・市街地空洞化

【将来の課題】
●本格的な少子高齢化社会
→ 担い手不足の悪化
→ 税収減・社会保障費増
→ 公債の発行も限界?
●インフラ老朽化の進展と災害の大規模化・頻発化
●SGDsと連動する地球環境問題への対応

MCSCCの思想は、「テクノロジーありきでなく、課題オリエンテッドの議論」を優先しており、データ連携と流通を意識した個別セグメントから全体最適にフィーカスし、公共主体から公民学連携の仕組みをMCSCCの組織でドライブして行きます。
MCSCCは、地方都市の「島根県益田市」をスマートシティのテストベッドの場に活用し、未来型エコシステム研究開発の中でデジタル・トランスフォーメーションの力で未来のあるべき姿を自治体と地域住民の方々に寄り添った形で、OEM・パートナー企業や学術会員等、多様なステークホルダーと連携しながら、最適なテクノロジーを実装したCPS社会の実現に貢献することをMCSCCのミッションとしています。