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政策研究大学院大学で講義をしました

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2022年11月18日(金)に、一般社団法人サイバースマートシティ創造協議会代表理事 豊崎(アーキテクトグランドデザイン株式会社ファウンダー兼チーフアーキテクト)が政策研究大学院大学で「(IoT領域)エマージングテクノロジーの動向と影響」の講義を行いました。


豊崎講義、聴講後の生徒さん提出のリアクションペーパーより抜粋

【A氏:某企業所属の所感】
今回のお話の中で、日本の地域における今後の可能性の一つとして、耕作放棄地や鳥獣被害に関する取り組みを紹介されていた。私の所属する企業でも、イノシシの対策にIoTやAIを活用する取り組みを農家の方や自治体関係者等と連携して行ったことがある。
この時にも、野生動物のために常時監視型のカメラを設置しておくのではなく、センサーが動きを感知したときのみスマホで撮影し、その画像をTwitterで自動ツイートする、というような簡単な仕組みにしている。このように、できるだけ簡単な仕組みを考えることは、コスト低減のためだけではなく、将来的にあらゆる地域であらゆる人が自分で取り組めるようにするためにも大切なことだと考えている。・・・

【B氏所感】
今回の講演において、テクノロジーの社会実装を進めるための工夫が多く紹介された。「失われた30年間」を経験し人口減少社会となった日本が、テクノロジー面のみならず、新しい社会に脱皮するために重要な指摘が多く含まれていた。地方における課題先取、海外での成功事例の積み上げ、将来の国際的な日本の立ち位置を想定した戦略、丁寧なロビイング、住民の「必要」に応えて浸透すること、ナラティブを意識したストーリーなどである。・・・

【C氏:医師の所感】
地方は過疎化、高高齢化率、少ない人的資本という資源制約の中で、質を維持した、いや質を向上させた医療介護ケアが必要になる。そのためには、スマートシティのハードと概念の理解が行政と市民に必要になる。例えば、私が調査した近畿地方の過疎地域でのインタビュー調査では、「行動と情報のリアルタイム化が必要になる」「誰もがドクターであり、誰もがケアマネジャーであり、誰もがヘルパーである」ような地域包括ケアが理想である、という声が多職種から聴取できた。これは、今回豊崎氏が講義で言っておられたことと完全にリンクすると思うのである。・・・

【D氏所感:サイバーセキュリティ関連の所感】
本講義で最も重要だと感じたのは、「今後の日本には、地域の社会課題を解決するスマートエコシステムを官民で構築し、国際競争力を持つビジネスに育てる経済成長モデルが必要」という点である。その理由は、課題先進国である我が国は、社会課題を限られた資源で解決しなければならない一方で、人口減少により国内市場が縮小するため、安定した財源確保には国際競争力を持つビジネスの育成が必要だからである。このような市場調査を踏まえて海外成長市場でのマーケティング戦略を描きながら、国内において地域の課題に根差したスマートエコシステム構築の実績を積み、競争力のあるモデルを育成することが必要だと理解した。・・・

【E氏:ITコンサルタントの所感】
今回のIoT領域に関する講義は、自身が担っていたITコンサルタントの領域を超越し、社会そのものをIoTで変えていくべきというメッセージだったと思います。非常にビジョナリーで示唆に富むものでした。
受講する中で私が本講義の中で特に重要だと思った点は、スマートシティ実現においては、主軸はあくまで民間セクターで公共セクターは補助的な役割を担うべきであるという主張であり、強く同意します。なぜなら、歴史的にみると公共セクター主導の社会変革は失敗に終わる例が多いからです。・・・

【F氏所感】
柏の葉などディベロッパー主体のスマートシティや会津若松市のような自治体主体のスマートシティでは、一から街を開発する点や多くの補助金が使われている点など他の自治体に活用できるような持続可能なものではなかった。そこで、先生は、課題主導型というアーキテクトを提示することで、どの自治体でも抱える課題に答える形で身の丈に合わせたスマートシティを発展させていくことを説かれた。そのためには、課題をいかに設定するかが実装するためのポイントになる。・・・

【G氏:米国政府機関職員の所感】
どんなに優れている技術でも、ユーザーがいない限り、価値があると言えないだろう。しかしながら、顧客ニーズにも考慮・想像せず、技術を向上するための技術開発のケースが多い。残念ながら、豊崎先生によると、特に日本では、この問題が普通過ぎるそうだ。だから、この落ち罠を避けるための戦術としては、MCSCCスマートシティの社会実装戦略の「ボトムアップ」と「スケーリングアップ」戦術が重要だと考える。・・・